燃費を測ろう



■燃費とは
 いきなり簡単な話ですが、燃費は走行距離とガソリン消費量との比です。日本では1Lで何km走れるかで表します。アメリカは単位系が異なり、1ガロンで何マイル走るかで表します。 miles per gallon. 略して mpg です。欧州では逆数になり、100kmを何Lで走れるかで表します。

■カタログスペック
 燃費は走行状態によって変化します。しかし、クルマを買う消費者としては燃費が良いかは重要な比較ポイントなので、何か公平に比較する基準が必要となります。そこで国土交通省の10・15モード燃費が登場します。決められたパターンで走って、その時の燃費がカタログに載ることになります。ベンチマークテストみたいなもので、1つの値だけでは参考になりません。が、頭のいいお国は馬鹿な国民のために分かり易い1つの値をカタログに載せるよう指導(?)しています。その値は非現実的にトロイ運転パターンで計測したものです。排ガス規制とかも同じトロイ運転パターンでやるあたり、確信犯的なものを感じます。
 自動車メーカーはそのトロイ運転をしたときに最高の数値を叩き出すようチューニングをします。そのせいで、実用燃費が落ちる場合もあります
 10・15モードは国土交通省(旧運輸省)が決めたものなので、国際的には通用しません(多分)。海外仕様はその国で最適値を出すようチューニングしているかもしれないので、実走行に近いパターンで計測させる国のモデルのほうが実燃費が良いということも十分考えられます。

http://www.mlit.go.jp/jidosha/nenpi/nenpilist/02.pdf 10・15モードの測り方(2ページ目)
http://www.vcacarfueldata.org.uk/e_howtouse2.htm 欧州での測り方と思われるモノ

 また、暖気運転後の燃費が計測対象なので、暖気中の燃費は関係ありません。ホンダ車は暖機運転中の燃費が良くないらしいです。そのため、チョイ乗りが多いとかなり燃費が悪化します。

http://www.honda.co.jp/carmagazine/Fit/vol02/nenpi/index2.html ホンダサイトの中でそう言ってる

■燃費報告
 ネット上の各所で、フィットの燃費報告がありますが、そのヒトの土地柄も運転傾向もわからないのであまり参考になりません。参考になるのは、フィットの場合、かなりバラツキがあるということでしょうか。
 まあ、中には道路名や平均速度なども書いている場合がありますが。でもその場合、相当優等生的運転である場合が多いです。どのくらい荒い運転するとどのくらい燃費が悪化するのかは、自分で体験してみないと分からないでしょう。

■満タン法
 燃費を測る方法として良く使われる方法が満タン法です。 一度ガソリンを満タンにし、適当に走った後、再び満タンにして、その間に走った距離と給油したガソリンの量から燃費を計算します。距離は区間走行距離計を使用すると便利です。

■満タン法の精度
 満タン法の精度は、如何に正確に満タンにできるかにかかっています。満タン容量というのは結構いいかげんで、スタンドによってキャップぎりぎりいっぱいまで入れるところと、適当なところで止めてしまうところ、キリのいい数字で止めるところ、キリのいい金額で止めるところなどいろいろです。中には溢れてしまっても知らん顔の場合もあります(ガソリンは揮発性が高い=乾きやすいので、給油しているところを見てないと気づきません)。また、地面の傾斜によっても満タン容量は大きく変わります。
 距離計の精度ももちろん影響しますが、タイヤの回転から計測するのでそう大きな誤差は出ないでしょう。タイヤの空気圧によって計測誤差がでますが、その場合には計測誤差よりも実際の燃費が変わってしまうことの方が大きいでしょう。

■e-燃費
 i-mode,J-Sky向けに、満タン法による燃費管理をするコンテンツがあります。アスキーが運営している無料サイトです。アスキーとしては実ユーザーによる実燃費が広く収集できるので、それを企業向けに売るのをビジネスとしているらしいです。給油中に距離を入力し、家に帰ってから(その場でもいいですが)給油量を入力します。些細な燃費の良し悪しを気にするヒトには「パケット代がかかるやんけ!」と不評のような気がしますが、そこそこデーターは集まっているようです。私はJ-Skyの某サイトを作った関係上、J-Skyに関しての料金は・・・おっとこの先は言えねーぜ。
 というわけで、最近は(フィット納車前です)ガソリンを入れるたびにe-燃費に入力しています。

e-燃費
ランキング (2001年9月)

■フィットの燃費計
 フィットには燃費計があります。燃費を計算するにはガソリン消費量と走行距離を調べる必要があります。走行距離は距離計があるので簡単に調べられます。ガソリン消費量を調べるのは結構大変です。チョロチョロながれる液体の流量を調べるのは高価な測定器が必要です(多分)。
 最近のエンジンは、最適なガソリン量をコンピューターで計算して噴射します。ということはコンピューターは「このくらい噴射しよう」と意図的にやってるわけです。その量を足し算していけばガソリン消費量が分かりますね。というのがフィットの燃費計でのガソリン消費量計測方法ではないかと言われています(多分)。
 表示される燃費は、リセットしてから現在までの平均値です。また更新は一定時間ごと行われるそうです。説明書に書いてあります。更新の間隔が何秒か書いてませんが、ずっと見ていれば分かるんじゃないかと思ってます。

■BMWの燃費計
 会社の先輩のBMWには瞬間燃費計がありました。アナログメーターで、アクセル開度に比例してるだけなんじゃないの?って感じの針の動き方でした。そうじゃ無いとは思いますが。

■汎用の燃費計
 最近のクルマは電子化が進み、エンジン用コンピュータを診断するためにチェック用のコネクタがあります。そこに繋ぐだけで燃費を計測できてしまう「燃費マネージャー」というすばらしいモノが発売されています。

燃費マネージャー 製造元直売が安いかなと思ったけど

テクトム 燃費マネージャー FCM−2000☆★送料・代引き料無料★☆ 他に安いところがあった。

注文時は適合車種に注意してください。


本題


■燃費計で遊ぶ
 フィットは燃費計がついているので、満タン法では不可能だったシチュエーションでの燃費を知ることが出来ます。

アイドリング燃費を測る!
 一定距離を走った後、アイドリング状態で放置し、燃費計の数値の落ち方をみることによりアイドリング燃費を計算できます。満タン法でやろうとすると、スタンドの近くで数リットルのガソリンを消費しないと測れません。
 ブレーキを踏んでいるときはクリープ力を弱くするようになっているらしいので、それの実証もしたいところです。Nレンジでアイドリング、Dレンジでフットブレーキを踏みながらアイドリング、Dレンジでパーキングを引いてアイドリング。これだけで3回も測らなきゃ!。

定速走行燃費を測る!
 定速走行燃費も計測できます。10kmほど走ればそれなりの精度の値が取れるのではないでしょうか。首都高中央環状 堀切JCT−葛西JCTあたりでやってみようと思ってます。この区間は川沿いなので、上りと下りでは得られる値が異なるかもしれません。その検証も・・・。
 葛西−大井間の方がやりやすそうですが、意外に橋やトンネルでのアップダウンが多いので計測には適しません。

条件を変える!
 上記それぞれについて、エアコンON/OFFでの比較をしてみたいところです。

一般走行での燃費
 上にも書いたように、一般走行での燃費を書いても、その走行パターンが分からなければ意味の無い数字になります。走行パターンを客観的に記録したいところです。そこで、車速パルスをPCか何かで記録したいと思っています。
 ・・・実現するのはかなり面倒なので、思っているだけです。

特別編

■燃費偏差値計算 JavaScript
燃費をいれて クリック! 結果
解説:
 e-燃費での2001年9月のフィットの成績を元に計算します。
 偏差値は
   (点数−平均値)÷標準偏差×10+50
 で計算できます。

 詳しくは 検索 しましょう

実験

■2001/11/18 割零エラー
 エンブレ中にリセットすると、フューエルカットにより燃費計算の分母がゼロになる。 その場合、燃費計はどう表示するだろうか。
 実際に試したところ、60.0km/l ちょうどの表示になった。 おそらく60以上の値は全て60km/lだということにしているのだろう。

驚異の低燃費!?


■2001/11/22 定速走行燃費

 首都高中央環状 堀切JCT−葛西JCT で定速走行燃費を計ってみた。ここは首都高の降りずに回れる領域の中ではもっとも平らと思われる区間である。金八先生に出てくる川の土手にある道路だ。距離は 9km ほど。

 参考: Yahoo! による地図


 まずは 堀切JCT → 葛西JCT で計った。ちょうどよさげなトラックがいたのでそれに付いて行って見た。速度は 70km/h 〜 80km/h ぐらいだった。ちなみにこの区間で追加料金の発生しない速度は 60km/h である。それ以上出すと速度に応じて追加料金が発生するが、徴収は気が向いたときしかやらないらしい。これで 28.3km/l を記録した。


 次に同じ区間でもうちょっとスピードを落として計る。ペースメーカーとなるトラックはいない。が、70km/h ジャストだとどんどん追い抜かれる。結構邪魔かも。しかも燃費がさっきより悪いような気がする。スリップストリームの影響だろうか。適当なところでトラックの後ろに付いてみた。結局さっきと同じような速度になった。すると最終的には 29.7km/l を記録した。燃費が良くなったのがスリップストリームの影響か、速度のムラ加減などによるものなのかは不明。


 次に同じ区間を逆に走ってみた。葛西JCT → 堀切JCT である。川沿いなのでちょっと傾斜しているかもしれないからだ。速度はやはり 70km/h 〜 80km/h で走った。すると 23.5km/h になってしまった。見た目は全然傾斜になっていないが相当影響が出ている。実はこの区間で定速走行燃費を計るのは適さないということが判明した。


 結局のところあまり収穫が無かったが、雰囲気的には燃費の良い速度は 70km/h 以下にあるように感じた。80km/h 以上だと確実に燃費計の数字が落ちていくようだ。低燃費な速度が 何km/h にあるのか、また機会があれば計ってみたい。また、今回は 走行が500kmぐらいの時点で試したので、慣らしが終わればもうちょっといい数字が叩き出せるかもしれない。

■2002/04/21 定速走行燃費その2

 再び深夜の首都高でルーレット族の邪魔をしてきた。辰巳から、9号〜C1外回り〜レインボーブリッジ〜湾岸線〜C2内回り〜6号〜C1外回り〜レインボーブリッジ〜湾岸線 と55.9kmの距離を走って 燃費27.1km/l を達成した。速度は55km/hぐらいを目指したが、どうも遅すぎてイライラしてしまい、60〜70km/hぐらいになってしまった。



 本当に55.9km走ったゾ、と主張するための動画を用意しました。単にメーターの表示を切り換えているところを撮影しただけなので、 見てもつまらないです。27_1kmpl.mpg (2.4MBytes MPEG1)
 上の画像もDVから取り込んだんで、かなり汚い。すいません。

■2003/02/02 平均速度と燃費の相関図

 渋滞すると燃費が悪化する。渋滞の度合いは場所によってさまざまだ。これを簡単に数値化する指標として平均速度がある。そこで平均速度と燃費の相関図を作成してみた。データは2002/01/12から採取を始めた。計測機器は自作燃費計である。現在、11サンプルある。まだ少ないが、傾向は明らかに見て取れる。これからもデータを採取し続けようと思う。



 2003/02/06 ちょっと更新
 オイル交換(ウルトラMILD→ウルトラLEO)をはさんだので、どっちのオイルか分かるようなグラフにした。また、走行距離を円の大きさで表した。横に数値も添えた。大きいほうが暖機の影響を受けない燃費となる。このグラフから、オイル交換による燃費改善効果があったと判断できるかは微妙なところだ。

 ホンダは低粘度省燃費エンジンオイルの適用により、燃費が1.0%向上します。と言っている。たった1%だが、今の金利よりはマシか。



 2003/02/27 ちょっとデータ追加



 2003/04/07 ちょっとデータ追加 & オイル別色分け廃止(差がわからん)

 ボクはあまり高速に乗らない。たまに乗っても長距離走らないので、平均速度が40km/hを超えることは無かった。 だいたい、インターまでが遠いし、インター付近は渋滞している。一般道での渋滞が平均速度を下げる要因になる。

 平均速度が30km/hを超えているデータはほとんどが高速を含むものである。 70km/h以上だすと、燃費が悪化していく。 この領域では、渋滞度と、高速の飛ばし度の組み合わせにより、燃費の上下が大きいだろう。 トップスピードを60km/hに抑えて、30km/h以上の平均速度が出るなら、このデータよりもよい燃費が記録できるのではないだろうか。



 2003/10/08 かなり追加 & ちょっと色分け

 http://www.honda.co.jp/carmagazine/Fit/vol02/nenpi/index2.html での 平均25km/h出れば15km/l。平均18km/hで12km/l走ってくれる。平均12km/hの激しい渋滞になると、10km/l前後。というのを赤丸で入れた。

 エアコンを使う季節と思われるデータを青丸にした。日付だけで振り分けているので、絶対使っているとは限らないし、白丸なのにエアコンを使っていることもありえる。が、結構いいデータが取れたように思える絵になった。



 2004/02/02 かなり追加 & 近似曲線追加

 データを追加したが、傾向はもうはっきりしているからあまり面白みがない。そこで近似曲線を追加した。 近似曲線にもいろいろあるが、作成したときの気分で2次曲線にした。 エアコンON時の線が低速側でOFF時の燃費を超えてしまっている。これはサンプルのとり方が悪い。 低速時のサンプルは暖気の影響があってかなりバラバラである。乗った距離の方が支配的だろう。 同条件下でのテストは難しいが、エアコンON時は1割ダウンといったところだろうか。

 この結果を踏まえて、以下のような早見表を作った。
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34
    8  9   10   11    12    13      14       15        16               17
 平均速度から、標準的な燃費を調べられる表である。



・円の大きさは走行距離。
・赤丸は国沢光宏の経験値
・青丸はエアコンを使いたい季節